鳥羽図鑑

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やまとたちばな【ヤマトタチバナ】

薫り高いやまとたちばなは鳥羽市の木に制定されている。その小さくて愛らしい実は古来、「非時香果(ときじくのかぐのこのみ)」、つまり永遠に香る果実と表現されてきた。様々な柑橘の中で、日本原産の柑橘種とされ、答志島桃取地区には、県の天然記念物に指定されている古木がある。

『日本書紀』では垂仁天皇が田島間守を常世に遣わし、非時香果を探させたが、その間に天皇は亡くなってしまったと記されている。このことからも、やまとたちばなは古くからの伝承がある植物だと分かる。また、常緑のやまとたちばなは冬でも葉を落とすことがないため、永遠性の象徴と考えられる所以もそこにありそうだ。

実は、答志島にはたちばなの原木がたくさん自生している。仁命天皇の子、常康親王が答志島を賜った際に、京都御所からたちばなの実を持参したのではないか、ともいわれている。常康親王は島を賜った際に、島全体をご神体にしたという言い伝えもある。
鳥羽商工会議所ではやまとたちばなをつかったオリジナルのお茶やお香、匂い袋などの商品を開発し、販売している。

永遠に香る果実、やまとたちばな。その香りを身に付けて答志島を訪れれば、不思議な常若の気を、身を持って体験できるかも。