鳥羽図鑑

neyako_01

寝屋子制度【ねやこせいど】

答志島

「寝屋子」とは、答志地区に残されている独特の文化で、一定年齢に達した男子が自分の家を離れ、世話をしてくれる人の家で一緒に寝泊まりをする。鳥羽市の無形民俗文化財に指定されている。
 原則として長男は、中学を卒業すると「寝屋親」を見つけ、結婚して独立するまでその家で夜を過ごす。寝屋親となった家には、夜になると数人の若者が寝るために通ってくる。 
 いつの頃から、何のために始まったかは定かではない。一定の年齢に達した地域の青年を集めて、地域の規律やルールを伝える「若者組」の名残という説、九鬼水軍が船の漕ぎ手をいち早く集めるためという説など、はじまりに諸説があるが、この不思議なしきたりは平成の世になっても島の若者にごく自然に受け入れられ、島の人々の絆を深めていることに違いはない。
 寝屋子として一緒に過ごした仲間は「寝屋子朋輩(ほうばい)」と呼ばれ、その縁は一生涯続く。それは「友達」「親友」などという言葉では、到底説明し切れない深い絆で結ばれる。
 寝屋子朋輩の誰かに何かがあれば、いつでもどこでも必ず駆け付ける。島の八幡祭の一体感を見ても、この制度の存在が答志地域を支える若者を育てていると思わずにいられない。